こんにちは!ウーマンネット事務局です。
今回は、以前弊社セミナーへの参加やホームページ、ECサイトの制作を担当させていただいたアプリュスセー合同会社代表の入澤様へインタビューさせていただきました。入澤様は「アートと人を結ぶ」をコンセプトに国内のアーティスト支援事業をされていらっしゃいます。
質問1:開業されたきっかけは何ですか?
二人の全く異なる境遇にあるアーティストとの出会いでした。
一人はスウェーデンに40年以上暮らし活躍する当時70歳日本人画家、もう一人は東京藝術大学の学部生です。アートで食べていけいないからと、大学を卒業したらプロの画家を諦めようとする学生の姿に、ショックを受け、海外で活躍するアーティストとの在り方の違いに驚愕しました。そこで、日本のアート市場やアーティストの課題が何なのかを知りたいと思うようになり勉強していくうちに、長く働いた金融業界での知識やビジネススキル、企画力を活かして貢献できることがあるのではないかと思い開業しました。
質問2:なぜこの仕事を選びましたか?
子供の頃からアートが好きでした。大学進学時や就職時など進路を考えるときに、アートに関する選択肢は入っていました。
しかし、なんとなく就職した金融業界で長く働き、気づくと次のステップをどうするか考える年齢になりました。そんな時、アーティストと出会い、完成されたアートを見るだけでは得られなかったアーティストの生き様、生き生きと仕事をする姿に感銘を受けました。そして、自分自身が心から望む仕事にチャレンジしたい、自分の信念を大切にして生きる人たちと仕事がしたいと思うようになり選択しました。
質問3:開業資金はどのくらい準備しましたか?
300万円(自己資金)
質問4:ネットショップを経営する上で工夫されていることはなんですか?
有名でない作家の場合、展覧会などで実物を見たことのない方が、ネットで作品を買うことはほとんどありません。
しかもそれが、版画やデジタルプリントなどではない、オリジナルの1点ものとなると価格も高額になりますから、商品の検索から購入完了までをオンラインで完結するのは難しくなります。
ネットショップでは画像をわかりやすく入れたり、ホームページで3Dで臨場感のある展覧会を再現したり、作家の情報を詳しく載せるなどしています。
質問5:過去最大の壁はなんでしたか?どうやって乗り越えましたか?
新型コロナウィルスの感染拡大が始まった2021年3月、展覧会の開催ができるかどうか瀬戸際でした。
消毒液の設置やマスク着用など基本的な対策と広い会場ということで、なんとか開催できましたが、その後は、美術館もギャラリーも軒並み閉鎖となり、全く身動きが取れなくなりました。
リアルな展覧会で集客し販売することができなくなったため、オンラインで展覧会をよりリアルに近い形になるよう3Dで再現し、そこから販売サイトに流えるようにウェブサイトを改良しました。
質問6: やっていて楽しいと思う、モチベーションになることはなんですか?
一番は、作品が売れた時です。展覧会でご購入いただいた時はもちろん、空間に合わせたアートをご提案し、採用され、喜んでいただけた時など嬉しくなります。
また、緊急事態宣言が解除された後の展覧会で、「元気になった」「楽しかった」「力が湧いてくる」などの感想をいただけることが多くなりました。
お客様が笑顔でそう言ってもらえると、また次はどのような展覧会を企画しようかと意欲が湧きます。
現在、アーティストと企業と大学が協業して病院でアートを制作するアートプロジェクトを行っています。
プロジェクトのコーディネートをしていますが、これまでアートに関わることのほとんどなかった方々が、この活動の社会的意義を理解して楽しそうに取り組んでいる様子は、もっと事業を拡大したいと素直に前向きにさせてくれます。
質問7:起業するときに必要なスキルはなんですか?
基本的な財務、経理知識や専門的な知識はある程度必要ですが、仕事で人とつながるために必要な大人としてのコミュニケーションや礼儀が大切だと思います。また、困難にも柔軟に対応できる思考やネガティブケイパビリティも必要不可欠ですね。ネガティブな思考や状況から逃れるには、自分が動くしかありませんから。そして、広い視野と国際的な倫理観も必要です。特に私の仕事は世界のアート市場とも関連しますし、アートはその国や人、歴史、政治など様々なことが反映されます。
そういったものを理解し取り扱うため、個人的な尺度で物事を捉えていても通用しません。これからの多様のある社会に対応してビジネスするのであれば、同様だと思います。
質問8:これから起業する方へのメッセージをお願いします。
独りよがりにならない意義が必要だと思います。
それぞれの強い思いがあって起業すると思うのですが、どんなに人や社会に役に立つことでも、なかなか人には響かないし、共感もされず、独りよがりと受け取られない苦しい日々が続くこともあると思います。そんな時は、繰り返し、広い視野で見つめて再考する、違った角度から見てみることも大切だと思います。ただ、そうはいっても譲れない思いがあり、変えられないこともあるでしょう。そこは焦らず、表現を変えたり、メディアを変えたり、創意工夫を繰り返しながら、少しずつ理解者やファンを増やしていきましょう。ご自分のやろうとする仕事を自分自身が信じて、真摯に向き合い、諦めないこと、そして、自分と関わる人々、もっとその先の人々の姿を常に思い描いてください。
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アプリュスセー合同会社
代表 入澤 日彩子様