20年経営の秘訣!日吉のセレクトショップ ア・キャトル澤井さんにインタビュー

「大人の女性のためのスタイリングを提案する」ことをコンセプトに1999年12月に開業した「A Quatre~ア・キャトル」(日吉本町1)の女性経営者、澤井麻子さんに迫る!

 

20年以上経営のコツについて、じっくりと語っていただきました。

インタビューの間も雑談おしゃべりを交えながら、楽しい1時間を過ごしました。

 

起業女子の皆さんは、これからの継続的な経営の参考になるお話だと思います。以下、最後までお読みくださいね。

 

 

質問1:開業されたきっかけは何ですか?

 

「短大卒業後パリに憧れがあったので、パリへいきました。パリではファッションの専門学校で、デザイン科、パターン科を修了しました。フランス語は当初少し語学学校に通いましたがその後は専門学校で現地の生徒と一緒にいるうちに話せるようになりました。」


「帰国後はパリやロンドンの展示会やショールームなどを回って見つけた様々なクリエーター、デザイナーのジュエリーや、帽子、小物などをサンプリングして輸入し、全国各地の専門店や大手企業などに営業をかけて卸をしていました。そのうちに、自分でセレクトしたファッションを直接お客様に販売したい思いが強くなっていき、開業に至りました。」

質問2:なぜこの仕事を選びましたか?

 

「ネット通販はやってみた結果、商品に奥行き(=在庫)がないとビジネスとしては成り立ちにくいのと、当時日吉と駒沢の2店舗を抱えて商品管理、接客、展示会周り、スタッフのマネージメントのほかに卸事業やOEM企画の仕事などもあり、時間的にも人件費的にもネット通販まで手が回らなくなってしまってそのままになってしまいました。現在は、私のようにITスキルの低い人でもコストをかけずにネット販売のHPを作成できるソフトがでてきたりして、うちも1店舗経営になっていますので、また折を見てネット販売にも再挑戦してみたいと思っているところです。

さまざまな要因が重なってか、店の売り上げが思ったより伸びにくくなってきたなと感じ始めたのが2014年あたりで、「店でお客様が来るのをボーっと待つだけではいけないな」と思い、「ファッションに対してポテンシャルの高いお客様」を発掘できるかもしれないと思って、「ファッションコーディネート講座」を始めました。

結果として、講座のために私自身もトレンドやファッション情報をかなり緻密に追いかけ分析し、テキストとしてまとめ上げる作業により自分の勉強ができました。「オリジナルのファッション理論を構築して世に広めたい」という次の大きな目標も見つかりました。

当初の生徒様で今では個人的にも仲良く、いまだに毎シーズンかならずお買い上げくださる方が何人かいらっしゃいます。」

質問3:開業資金はどのくらい準備しましたか?

「開業資金は200万〜300万で親から借りました。法人化したのは2004年ごろです。」

 

質問4:店舗を構える時の注意事項があれば教えて下さい。

 「業種にもよると思いますが、路面店が向いているのか、2F以上がいいのか、地下でも人を集められるかなど、事前に人通りの数を調査することも大事です。バランスをどうするのかなど」

質問5:お店を経営する上でのチャレンジは何ですか?

 

「売上の数字が安定していてもそれがずっと続きはしないので、常に世の中のニーズ、お客様のニーズには目を向けています。世の中の動きもとても早いです。同じやり方では継続できないので、常に危機感、新しいことをやるように工夫をしようと考えています。

 

今年から渋谷クロスFMのインターネットラジオ番組のサブパーソナリティを1年間の予定で務めています。毎週各方面のさまざまなゲスト様との新しい出会いがあり、いただく情報も多岐にわたって刺激をうけつつ、楽しく学べる場になっています。」

 

「子どもも大切ですし、以前は長い時間お客様のために店を開けていましたが、日曜・祝日はお休みにして、営業時間も20時閉店から18時30分閉店と、大幅に短縮しました。」

 

「どんな方にも買っていただくお店」から、「ウチで買いたいと思ってくださるお客様を最大限大切にするお店」にシフトチェンジしました。」

 

 


質問6:過去最大の壁はなんでしたか?どうやって乗り越えましたか?

 

「大幅な赤字経営になったことですね。店とは別にストック場所兼事務所として借りていたワンルームを解約し、大規模割引の在庫セールなどを数回やって過去のストックを減らし、今のショップ内だけで場所をなんとかまかなえるようにし、人件費は休日を設け、営業時間を減らすことで、50パーセント以下に削減。掛け率の高いメーカー、消化率の悪いメーカーとのおつきあいを考え直して、取引先の数も減らし、毎シーズンの予算を緻密に、若干少なめくらいに見積もることで3年目には決算上の数字は明らかによくなりました。」

質問7: やっていて楽しいと思う、モチベーションになることはなんですか?

 

「ファッションのアドバイスしたお客様がお友達に「おしゃれよね」と言われることやお客様に頼りにされて、ここで買ってよかった!と言われた時です。あと洋服の悩みを解決してあげた時や、ありがとうと言ってもらった時ですかね。」

 

質問8:起業に向いている人、向いていない人はどういう人だと思いますか?

 

エピソードをひとつあげておきます。

「駒沢時代に仲良くなったお客様の一人でお菓子作りがとても好きで、作ったお菓子もプロ並みに美味しいという方がいて、やはり周りの方からも評判がよくて、友人知人からオーダーを受けたり、ほんの少し近所の飲食店に頼まれて卸したりしている方がいました。「本当にこれを作るのが大好きだし、食べていただいたみなさんにもすごく喜ばれて嬉しいから、本格的に仕事にしてみたいと思う。買っていただきやすい今のお値段では、家庭の設備だと一度にたくさんは作れないし、時間と労力と材料費も考えたらぜんぜん儲からないのだけど、喜んでもらえるだけでも幸せだからやろうかな。もうずっとこれだけを作って暮らしたい。」ということを聞いて、私は即座に「やめたほうがいい」と言ってしまいました。

 

私が彼女に言ったことは、「最初のうちはあなたが丁寧に作った美味しいお菓子をみんな喜んで買ってくれるかもしれない。でもお客様というものは時にものすごくわがままになることがある。あなたのプライベートの予定などおかまいなしで、「明日までに100個ね」と言われたら?なにか理不尽な理由で、返品やオーダーの直前キャンセルがあったり、未払いする人がいたり。値段が高過ぎると言われたら?そんな時に、せめてまっとうな額の儲けがなかったら、「なんのためにやっているのだろう?」ってすぐに心が折れてやめることになるから」です。

 

*好きなこと、得意なことを仕事にするのは、正解

*お客様に喜んでもらえる仕事をするのは、正解

*家庭の設備のままでビジネスを始めようとするところ、大量に時短で作れるようにキッチンをリフォームするとか、先行投資の考えを持っていないところが NG

*「今つけている値段」では儲けがでないというが、今、売れているのは「安いから」だけかもしれないという考えがないところが、NG

*まっとうな値段を付けた時に、「はたしてどれだけの人が買うか。または多少高くても買っていただけるだけのものを自分は作り出せているのか、どうやったら商品の良さを伝えることができるか、お客様、卸先をどうやって増やしていくか」など、「お菓子を作る以外の仕事が実は大切になってくる」という考えがまったくないところがNG

*「これだけを作っていたい」というのがNG。彼女の場合、評判だった焼き菓子が1種類だけで、すぐに飽きられる可能性が高く、「他にもどんどんいろんな種類のお菓子を開発してどんどん売っていこう、もっと喜ばれよう」というビジネスを発展させていく考えがないので、NG

*最終的に「儲けがなくて、売れれば売れるほど体がしんどくなったので辞めます」という結果になったとしたら、最初から喜んで応援してくれ、買い続けてきたお客様にとっては一種の裏切り行為になるのでNG

質問9:これから起業する方へのメッセージをお願いします。

 

「少なくても始めたら、10年はやってみたらどうでしょうか? SNSの世界で多いですが、目立ちたいとか自分を認めてほしいだけの目的でのビジネスなら続かないと思います。それとやりたいことを無理やり見つけてはやらないほうがいいです。どんなビジネスでも他人のために自分がどう役に立てるか?という思いがないと継続することは難しいと思います。

 

お金も大事ですが、人間お金だけではなくて、お客様、取引先の人、人を大事にするべきです。知り合いの工場の社長さんに言われた言葉ですが、景気がいいときはどんどん大きくすればよい。しぼんできたら小さくすればいいんだよ。体裁にこだわらずアメーバーみたく大きくなったり、小さくなったりすればいいんだよ」と。確かにそうだなと。その言葉で自分も随分気が楽になったので、これから起業する方もそのときの状況に応じて変化していけばいいのではないかなと思います。」

質問10:10年以上継続できる秘訣はズバリなにですか?

 

「止める選択肢が気持ちの中にまったくなかったところ。経営を継続することさえきちんとやっていれば、あとは仕事内容や、労働時間、休みの設定、その他なんでも自分の裁量でよいわけですから。定年さえも自分で設定できます。

 

例えば、年収500万で10年しか働かないより、年収200万でも体と頭がしっかりしているうちは40年でも50年でもずっと働くイメージがあります。もちろん年齢に合わせて仕事の内容は好きに創り出していけばいいので働いているうちはずっと楽しいです。」

 

ということで、起業を目指す女子、起業中の方も参考になるお話がたくさんあったのはないでしょうか?

 

帰りにはすっかり、インタビューワーの私もア・キャトルさんの商品に魅了され、帽子とアクセサリーをついで買いして帰りました。

 

素敵なお店なので、ぜひ足を運ばれてみてくださいね!

このお店にしかない逸品に出会えると思います。